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脚本・監督には『演じ屋』『たとえ世界が終わっても』でその才能を世に知らしめた映 画監督の野口照夫を迎え、 主役の吉原役には人気実力派俳優の武田真治を起用。ヒロイ ンは2009年公開『刺青 匂ひ月のごとく』に主演し、 注目されている井村空美を抜擢。 熱狂的な人気を持つ『マネーロード』の魅力を余すところなく本作品に 集約した新たな ダウンロードコンテンツのフラッグシップとなる作品です。

「金の声を聞く男」と呼ばれ、株式市場の値動きを予見し250億円もの資産を築いた男、
吉原。彼は人間の“金に対する想い”を幻覚として見てしまうため、4年もの間ホテルにひ
きこもっていた...ある日、吉原のもとに1枚の旧紙幣が送られてくる。それは彼の出生の
秘密を辿る唯一の手掛かりであった。送り主は、かつて株式をめぐる仕手戦で、吉原に
屈辱的な大敗を喫した投資ファンド代表、沢谷。沢谷は仇敵吉原に対し策略を巡らし、
一人の女性を吉原のもとに送り込むのであった...。

  • マネーロード 前編
  • マネーロード 前編
  • マネーロード 前編

武田真治さん・井村空美さんスペシャルインタビュー

『マネーロード』収録を終えて

聞き手:髙橋 秀和 カメラ:野澤 潤

インタビュー画像1

インタビュームービーを再生する

 

聞き手:
(以下Q)
収録お疲れ様でした。演じ終えてあらためてマネーロードの印象を教えて下さい。
武田真治:
(以下T)
先ず脚本が面白くて一気に読んでしまいました。根本的に流れるものは小説とか作品と呼ばれる物のスタンダード中のスタンダード、本当に純粋なBoysToMen作品ですね。少年が大人になるその瞬間を描いているんですけど、僕が演じさせていただいた主人公ヒィ(吉原達郎)は年齢設定が34歳で、その時点で少年ではないでんですけど、本当は大人として経験しておくべきことを全くしていなくて、ホテルに引きこもり。だけど十分な生活が出来るくらい株では成功している。そのことが社会の中で人間関係を歪めてしまい狙われる身でもある。現代的な要素を盛り込んだ、だけどすごくピュアなものも併せ持つ、不思議で色んな要素が入っている新しい作品だと思いました。
井村空美:
(以下I)
台本の印象としては、読み終わった後はすごい考えちゃう作品だったんですよ。ハッピーエンドなのかな?とか思いながらの感じだったので。何だろう、本当にいろんなことが起こるロードムービーのような作品で、私も一緒にいろんなことを感じながら最終的には、ひとつの旅を経験したような感じになりましたね。とても不思議な話ではありますね。登場人物みんなが風変わりな人っていうのも変かもしれませんが、旅を通してそういう色んな人達と出会うんです。一言では表せないような色んなものが感じとれる作品なんじゃないかと思いました。お金にまつわる話だけど、なぜか皆が愛を求めている作品なんだと率直に受けました。
Q:
これから聴いて頂く方にヒィ(吉原達郎)の説明をお願いします。
T:
どんな男なのか少しずつわかっていくお話という部分もありますので言っちゃうのももったいないですね。あと成長することを閉ざしていた男が、受け入れるべき現実を受け入れることを覚悟し行動する、そういう意味では本当に男らしいキャラクターだと思います。ただ、現在引きこもりだったり、汗をかかずにお金をもうける方法を知ってしまってることでのわがままなキャラクターといった感じは、冒頭で露になりますね。

インタビュー画像2

Q:
もしヒイと同じ能力があれば同じように“引きこもり”ますか?
T:
どんな人間にもちょっとした能力ってあると思うんですよ。例えばファッションのトレンドを見抜く人間とか。ヒットする映画かヒットしない映画か、後は売れる土地とか売れない土地とか。色んな意味でトレンドを見抜く能力ってのはこの世に無いわけじゃないと思うんですけど、ヒイの場合は極端にお金の流れが見える、株の流れが見える、人より見えやすい。自分にもしその能力があったら、確かにこのように孤立しちゃうんじゃないかと思いますね。ただ、世界を変えてしまいかねない能力なので、ヒイは果たして引きこもっていたのか、それとも自分が役に立てる居場所を自問自答してホテルから4年間出れない部分があったのか考えたら、この4年間は引きこもりとはいえない部分もあると思うんです。でも自分ならその能力で人の役に立つことって何だろうって考える、と答えたいですけどね。
Q:
カズキの印象を教えて下さい。もし友達としてカズキがいたら?

インタビュー画像3

I:
私はカズキのことを知ってしまっているので、もし友達だったら・・・。彼女の誰に対してもオープンに接する感じからして、友達は多いでしょうね。でもそのひとりひとりが浅いかもしれないですね、たぶん。ヒイちゃんとは一緒に旅をして心開いていく仲になるんですけどね。心は閉ざしている部分はありますけど、嫌われることはまずないと思うんです。
でもその分やっぱり浅くて人とは関わっていないと思うんですよね。もし私が友達だったとして本当に私のことを友達って思っているのか心配になっちゃうかもしれないですね。でも私からみたカズキっていうのはやっぱり実は愛情に溢れているんだけど、はけ口がないんだろうなって感じがします。せつないですけどみんなどっかで、何かのきっかけで心を閉ざすことがあるかと思うし、だけど彼女のキャラクターの明るさは抜群にかわいらしいし、素敵だと思っています。
Q:
カズキを演じる上で難しかった点は?
I:
誰にも打ち明けられない過去をずっと抱えている気持ちを演じることがポイントだなって思っていたので、そこを頑張ろうと思っていました。否定するわけじゃないですけど、普段私はこんな感じではないです(笑)。でも演じていて楽しかったですね。大きい声出せたり、失礼なことでもバンバン言えるのとか、あまり無いじゃないですか。だからとても楽しかったです。
Q:
ヒィを演じる上で難しかった点は?
T:
カズキにヒィと呼ばれる吉原達郎という役は引きこもりで、足も痩せ細っちゃって、4年間ホテルの部屋から一歩も出ていないという役なんですね。今回彼がした冒険というか、引きこもっていたホテルから出て行くんですが、それをずっと弱々しいキャラクターで演じていくと、今度はひとつの作品としてリードキャラクターが弱くなってしまうと思ったんですね。そこで監督と一緒にこの吉原達郎がありたい自分でいるみたいなことで、声のトーンをハードボイルド的な要素で演じさせてもらいました。ヒィの主観で描かれている小説的な展開をしていくんですけど、そこの部分のかっこよさとかっこわるさのバランスみたいなことはスタッフの皆さんと話しあって決めました。
Q:
武田さんが演じたヒィ(吉原達郎)の印象は?
I:
最初に収録をしたシーンがファミレスのところだったんですが、武田さんの声を聞いて一瞬でヒィちゃんだと思いました。今回声だけですけど、隣で武田さんが演じられてて、ピシピシと伝わってくるヒィちゃんの抑圧されているようなオーラをずっと感じていました。武田さんのモノローグからも凄く伝わってくるんですよ。でも女性にとってはヒィちゃんって、きっと見た目も引きこもりの身なりで、好かれる感じじゃないかもしれないですけど、接しているうちに何かしてあげたい人だなと、母性本能をくすぐるキャラクターですよね。
Q:
井村さんが演じたカズキの印象は?
T:
たぶん男性諸君の色んな妄想を駆り立てるような、ある種理想的な女の子。男の子なら付き合いたいなと思うような、オープンな感じとか、まずそういうところを見せてくれるし、ちょっと暗い過去を語る部分ではたぶん他人事とは思えない演技を披露してくれていると思います。
Q:
声だけで演じることの難しかった点、楽しかった点は?
T:
声をメインに録っている意味ではあんまり絹ずれがおこらないように気にはしました(笑)。普段の役作りと変わらないように心していましたね。声優さんみたいにはうまくは出来ないことはわかっていましたし、だったらよそでは聞けないくらいの感情の原石みたいな演技をしようと、そのほうが装飾がなくてよいと思っていました。

インタビュー画像4

I:
意識しちゃうと逆にちょっと難しかったと思います。実際に見えてる景色、音もあるし、そういうのを想像しながらやるのと、普段現場にあって五感すべてで感じているものがここには無いからそういう意味では少し難しいかなと思ったんですけど、無いからこそ見えてくるものがあるとも思いました。今回はとても勉強になりました。

インタビュー画像5

Q:
視聴者として聞く場合、どんな作品を聴いてみたいですか?
T:
「マネーロード」の収録中に思ったのは、たまに映画観てると、このシーン青空だったら良かったのにって、天気悪かったんだけどこの日しかなかったのかなってことってあるでしょ?。でも今回はそうではなくて、まるで本当にそこへ行った気になれたんですよ。作品の中で茨城の見ず知らずの大家族のおじいさんの家に泊まるんですけど、そこでの賑やかな家庭の感じ、田舎の夜風の感じ、裸足になって土の上に足を置いた感じとか、自分で感じた気になれたんです。 今後宇宙人が攻めてくるようなドラマCD作品をウェルツレコーズは制作するかもしれないですけど、何か懐かしさをくすぐってくれるようなものがいっぱいあればよいと思いますね。特に今回はスピーカーで楽しむというよりも、イヤホンやヘッドホンで楽しむ作品なので、より音が近く、凄いささやかなものも感じることが出来ると思うんです。都会の生活とかで忘れかけている、ささやかな幸せなどが描かれると良いなと思います。
I:
全体的にはしゃいでるシーンが多いので、その場その場でヒィちゃんをぐいぐい引っぱっていったりするところとか、酔っ払っているシーンとかがあるのでその辺りは自分も楽しめましたし、リスナーの皆さんにも楽しんで頂けると思います。あとはカズキに限らず、作品の合間合間にモノローグがあるのでそこがキャラクター自身の本当の気持ちだったりが現れているところですね。そこはカズキに限らず聴き所というか、楽しんでいただけるポイントになっているんじゃないかなって思います。

インタビュー画像6

Q:
今回の作品は立体音響技術を使用しています。
T:
僕は立体音響の作品、実験CDみたいのを買って聴いたことがあるので、本当に凄いですよね、そういう技術って。もしかしたらそういうものって映像で見るよりも自分の中で広がることがあると思うんで、このジャンルが娯楽のひとつとして確立されたら良いなと思います。そして最近ポータブルの映像を、電車の中で見ている人もいまけど、あくまでもその映像の中の世界観になると思うんですよね。でも演じていて本当に思ったのは自分の日常と重ね合わせて、よりこの世界観に入りやすい部分もあると思ったんで、それは仕上がりとともに是非楽しんでいただければと思います。

インタビュー画像7

I:
今5.1CHとか色々あるじゃないですか。それでみると全然違うなと思って、そっちの方が好きなんですよ、普通に観るよりも。目に見えないとなると、そういう臨場感の音があると自分がその世界に入り込んだように感じるじゃないですか。だから普通に人が横を歩いているように感じたりとか、車がそこ通っているとか、受け手もその世界に登場してしまうようなそんな作品って凄く素敵だと思います。

インタビュー画像8

 
Q:
ファンの方へ!
I:
皆さんも素敵な世界観を体験してみてください。
T:
「マネーロード」、本当に面白い作品です、是非聴いてください。

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